■セーターができるまで(中国編)
カシミヤセーターができるまで(中国編)
カシミヤセーターってどうやって作ってるんでしょうか。国や工場によっていろいろな製造方法がありますが、ここでは中国での一般的なカシミヤセーターの作成方法についてご説明します。
1. うぶ毛刈り取り
カシミヤヤギは毎年4月ごろ脱毛しますが、内モンゴル北方にある畜産農家たちが、この脱毛前に手作業で大きな『くし』で、柔らかいうぶ毛だけをすき取って採取します。カシミヤヤギ1頭あたりの採取量は年間わずか150グラム〜200グラム程度で、カシミヤセーターを作成するのに通常なんと4頭分のうぶ毛が必要になります。カシミヤヤギさんありがとう〜!
2.うぶ毛の回収集積
いわゆる仲買人と呼ばれる中間業者たちが、各畜産農家からうぶ毛を買い上げて、集積します。この段階ではうぶ毛の外にある剛毛なども含まれています。これがめっちゃ堅いんです。またホワイトカシミヤ、グレーカシミヤ、ブラウンカシミヤなども混合された状態です。
3. 選毛
カシミヤヤギの外側にある剛毛と内側にあるうぶ毛をまず選別し、その後ホワイトカシミヤ、グレーカシミヤ、ブラウンカシミヤに選別した後、さらに太さや長さによって区別されていきます。この段階で紡績機に投入できる『わた』になります。このグレード分けでなんと100ランクぐらいに分かれるといわれています。
4. 染色
通常は『わた』を糸に紡績してから染めることが多いのですが、当店のカシミヤはまず『わた』を染めた後で糸に加工します。『わた』を先に染める事で、様々な色をブレンドすることができ、自然で美しい色合いを表現することができるのです。また『わた』染めをすることで、染色時の温度を下げることができ、もっとも重要視される風合いの劣化を抑えることができるのです。
5. 紡績
染められた『わた』を紡績機に投入して糸に加工します。この段階で、糸の太さなどを設定します。またいろんな色の『わた』をブレンドしてメランジ色などを表現します。

綿が紡績機に入っていきます。中でもまれて交わっていきます。

紡績機から出てきたスレイバー(綿のつながったもの)をつむいで糸にしていきます
6. 撚糸(ねんし)
出来上がってきた糸をより合わせて強度を高めます。また伸縮性やかさ高性を高める事で、カシミヤセーターの原料としてより適切な糸となるよう加工していきます。

糸をより合わせながら巻いていきます
7. 編立(あみたて)
いよいよカシミヤセーターの原形が姿をあらわします。事前に作成された設計図をもとにして、その形になるように編みすすめられます。工場の女の子が(中には女の子でない人もいますが)一枚一枚手横機(てよこき)と呼ばれる手動の機械で丹念に編んでいくのです。通常のカシミヤセーターの場合、『前みごろ』、『後みごろ』、『右そで』、『左そで』、『そで口や襟などのパーツ』の5つの部品を作成する事になります。当店の場合はほとんどの商品が中国の工場で一枚一枚手動の機械にて編みたてられたものです。

一枚一枚こうやって人手で編まれていきます
8. リンキング縫製(ほうせい)
編立工程で作成された部品をつなぎ合わせて一枚のカシミヤセーターに加工していきます。編地のひとつひとつの小さな目を探し当てながら縫製針をとおしていく大変細かい作業です。一説には22歳でこの作業は引退するといわれるぐらい目を酷使する作業なのです。これもほとんど手動の機械で一枚一枚縫製されていくのです。

本体と袖を縫製でつなぐ作業です。本当に細かな作業です。
9. 縮絨(しゅくじゅう)
縫製も終わり、やっと形になってきたカシミヤセーターですが、まだまだ製造工程は終わりません。この段階では堅くてとても着用できるようなものではないのです。着たらちくちくしてとてもカシミヤとは思えないでしょう。カシミヤの風合いを最大限に引き出す工程、それが縮絨工程なのです。
縮絨溶剤を含んだ水で、家庭用の洗濯機の何倍も大きな機械に投入し、たたいたり揉んだりすると、糸から毛羽が出てそれが互いにもつれ、絡み、緻密な構造になっていきます、これがつまり風合いを引き出し、そして高めるのが縮絨工程です。

家庭用洗濯機のお化けみたいな言わば業務用洗濯機ですね
10. 乾燥&プレス
やっとカシミヤの風合いが出てきたセーターですが、あれ?なんでこんなに小さいの?しかもしわくちゃ〜。そうなんです、縮絨工程を加えると、機械の中でたたかれたり、もまれたりしているうちに、毛製品特有の縮みが始まります。縮絨工程を終わったころには従来の70%ぐらいの大きさに縮んでしまうのです。これをスチームの大きなアイロンにて本来の形に戻してあげる工程がプレス工程です。人体の型枠を中に入れ、外からはアイロンを駆使し、見事に本来の形を再現していきます。まさに職人芸といえます。ものの2〜3分の間に見事に商品に変化していきます。

まさに職人芸です。あっという間にセーターの形が再現されます。

乾燥工程。これも家庭用乾燥機のお化けが登場
11. 仕上げ
さあ、いよいよ最終的な工程にはいってきました。プレス工程を終了したカシミヤセーターに、釦、ブランドラベル、洗濯ネーム、下げ札 などを取り付けて商品としてのお化粧をほどこします。
12. 検品包装
完成されたカシミヤセーターを一枚一枚チェックします。穴が開いてないか、編み目が落ちてないか、汚れていないか、などなど。検品で不良箇所が見つかったものは、再度前の工程に戻って修理します。最後に検針機に通して、商品の中に編み針や、金属片などが含まれていないかどうかの検品をおこないます。合格したものは包装されて出荷を待ちます。

人海戦術で大検品大会です。
13. 出荷
いよいよカシミヤセーターの出荷です!中国から船に揺られて(納期間に合わなくて飛行機に乗せてあげることもあります 汗!)日本に到着!そしてお客様のお手もとにお届けです!
ほんとにほんとに数多くの人々の努力と汗、そして御協力のおかげでこの1枚のカシミヤセーターがお客様のお手元に届けられるのですね。
しかもはるか遠き内モンゴルでうぶ毛が刈り取られてからお客様のお手元にカシミヤセーターをお届けするまで、なんと半年以上にも及ぶ本当に距離も時間も長い長い物語なのですね。














































